包茎手術でペニスが小さく見えてしまうことがある!【現役医師説】

質問

包茎手術の根部切除法(バックカット)という治療方法を受けると、ペニスが小さく見えてしまう可能性があるとネットに書かれていました。

何故、小さく見えてしまうのか?イマイチ分かりません。具体的に、どうしてペニスが小さく見えてしまうのか教えてください。

根部切開法によって陰茎が小さく見えてしまう場合について

今回は、現役の泌尿器科の医師に「包茎手術でペニスが小さく見えてしまう可能性」について聞いてみました。

ここから↓

まず包茎手術について概説致します。

包茎手術に対する治療は、要するに余分な皮を切ることです。

大きく分けて、背面切開法と環状切除術に分かれます。(他に挙げるならば、海外で行われる「割礼」です)

背面切開法は、陰茎の背面側の皮をハサミでちょきんと切るものです。

※背面切開法の図

嵌頓包茎などに対する緊急処置や、または真性包茎に対する環状切除術の際に包皮を脱転する目的で行います。

きれいな仕上がりにはならないので、通常審美目的の包茎手術で背面切開法のみ行うことはありません。

環状切除術は、その名の通りわっかの形に皮を切除することです。

※環状切除術の図

環状切除の際にどこの皮を切除するかによって術式が分かれます。
主に行われるのは、

①亀頭直下切開法
②スタンダードな環状切除術
③根部切開法

の3種類です。

スタンダードな環状切除術では、陰茎の幹の中央の部分の皮を切除します。

手術する際には概ね冠状溝から2㎝ほど離したところを上のラインとして、必要に応じて皮を切除するものです。

最もスタンダードで、手技的にも容易であるためトラブルも少ないのですが、デメリットとしてはツートンカラーになってしまう可能性があるということです。

個人差はありますが、陰茎の皮膚の色は根元が濃くて先に向かうにつれて色はきれいにピンクがかってきます。

特に仮性包茎だと亀頭周囲は通常皮に包まれているので、あまり黒くならず、色の違いが目立ちます。(※皮膚は、慢性的な刺激があると色素が沈着して黒っぽくなります)

こうしたデメリットを解消するために、亀頭直下で切開するか、または毛に隠れて見えづらい根部切開法が開発されました。

亀頭直下法は、亀頭の段差に隠れて傷が目立たず、色の違いも認識されづらいというメリットがあります。

しかし、裏筋のあたりに性感帯があるため、そのあたりをうまく温存できないと性感が下がってしまうことがあり、高い技術が求められます。

根部切開法では、毛に隠れるため傷は通常分かりませんが、体に近い部分でありやや技術的な難しさがあります。特に、包皮を切除する量を的確に見定める経験が求められます。

※根部切開法の図

根部切開法の参考↓

陰茎根部切除法(バックカット)※費用対効果が悪い?

環状切除術全般に言えることですが、包茎手術において避けなければならない合併症は、皮を切り過ぎてしまうことです。

皮を切り過ぎてしまうと、皮がパツパツになってしまって、勃起するたびに強い痛みに襲われることになります。

勃起は意識しなくても特に朝など起こってしまうものですし、日常生活に大きな支障が出ることになるでしょう。

とはいえ、通常診察時や包茎手術を受けている時には陰茎は勃起していません。

「勃起していなくても陰茎を最大限引っ張ったときの長さは勃起した時の長さと概ね同じ」というデータがありますので、そうしたところから推測するなどして切除する皮の量を決めていますが、とにかく切り過ぎないようにすることが大切なのです。(※薬を海綿体に注射することで無理やり勃起させる方法もあります)

切除する包皮量に注意が必要なのは環状切除術全般に言えることですが、特に根部切開法は、切ったところから陰茎先端までの長さが長いために、より誤差が生じやすく、結果としてうっかり切り過ぎてしまうリスクが高いのです。(陰茎は勃起した際に先端に向かってのびていきますので、より先端側での包皮がのばされるためです)

こうしたリスクがあるために、根部切開法を選択する際には、多少の余裕をもって皮を切除することになりがちです。

そして、そのことが陰茎を小さく見せることにつながってしまうことがあります。

たとえば、「皮を完全にかぶった状態で10㎝の陰茎」と「皮が8割むけた状態で10㎝の陰茎」では、どちらの方が大きい陰茎だと感じるでしょうか。

どちらかというと、「皮が完全にかぶった状態」であれば伸長する余力がありそう、大きいだろうと無意識に感じるでしょう。

では、「皮が完全にむけている10㎝の陰茎」ではどうでしょうか。
完全にむけている陰茎は、勃起したら大きくなるイメージがあるのではないでしょうか。

一方、微妙に皮がかぶった状態の陰茎は、イメージとして「ある程度勃起してこの程度」という印象を抱かせてしまいがちで、なおかつ先に述べた通り、亀頭近くのピンク色の皮がより根部側に引っ張られる形になりますので、色のグラデーション具合としても「すでに多少大きくなっていてこの程度なのかな」という印象になってしまうのです。

そうした理由により、根部切開法では陰茎自体がやや小さく見えてしまう可能性があるのです。

まとめ

根部切除法という包茎手術でペニスが小さく見えてしまうのは、手術の方法により、微妙に皮が被ってしまっているのと、色のグラデーションが関係しているということですね。

さらに根部切除法は、皮をどれくらい余らせるか難しい手術法。
そのうえ、手術の方法からして、仮性包茎の方しか受けることが出来ません。

もし、包茎手術を受けたいと思っている方がいるなら、この根部切除法はあまりオススメできないかもしれません。

短小の方なら特に、ですね。
仮性包茎+短小に悩んでいるなら、同時に悩みを解決することの出来て、なおかつ無傷で受けることの出来る亀頭増大手術の方が良いでしょう。

亀頭増大手術の詳細↓

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